JA佐久浅間

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いきいき健康相談 【皮膚】

乳児の肌のケア

アレルギーを防ぐには、乳児のころからスキンケアが必要ですか。
友人からアレルギーを防ぐには乳児のころからスキンケアが大切と聞きましたが、どんなケアが必要ですか。(30代・女性)

乳児の肌のケアは、アレルギーの予防にとても重要です。アレルギーとは、原因となる抗原(アレルゲン)が様々な臓器に免疫の過剰反応を起こし、生体に不都合な症状を起こす疾患の総称で、乳児期から発生するアトピー性皮膚炎や以後に発症する食物アレルギー、アレルギー性鼻炎結膜炎、気管支喘息といった疾患があります。抗原がいつも正常な反応(寛容)ならば問題ないのですが、過剰反応を起こすなら(感作)これらの疾患のもとになります。


遺伝や環境など多種多様な個人差
抗原が寛容になるか感作されるかがどのように決まるか判明すれば予防につながりますが、まだ詳しく分かっていません。遺伝や環境など多種多様で個人差が多いからです。しかし最近、食物アレルギーの抗原が乳児早期に暴露される経路によって決まるのではないかという仮説が検証されるようになってきました(二重暴露仮説)。
中でも鶏卵とピーナッツは、乳児期早期に経口摂取した場合は寛容に(経皮免疫寛容)、湿疹があり皮膚から暴露された(経皮暴露)場合は感作に働く(経皮感作)ことが分かり、その予防が実証されました。アトピー性皮膚炎の乳児はスキンケアをしっかり行うことで皮膚からの暴露を防ぎ、かつ乳児期早期に鶏卵、ピーナッツを経口摂取することで、この2種のアレルギーが予防できたという結果を得たのです。


しっかりとケアすることが大切
日常診療でも、そばアレルギーの人の中に乳児期の湿疹が強く、かつ自宅でそばを打っていたという患者さんを経験します。しかし、他の食物には関係がなかったり、また鶏卵でも大量摂取すれば有害なアレルギー反応が起きたりと、すべての食物に二重暴露仮説が当てはまるのではなく、どの食物を誰にいつから行うのか、現在検証が進められています。抗原を乳児期早期に経口摂取する方法は危険が伴うため、実証を経てから医療機関が中心に行うことになります。半面、経皮暴露はスキンケアを行うことで予防が可能です。
このように乳児湿疹(新生児挫創やアトピー性皮膚炎、脂漏性湿疹)の治療がとても大切で、常に皮膚のバリアを守ることを推奨します。基本は汚れを落として保湿剤(保湿入浴剤は不可)をベースに湿疹の程度に応じて早期にステロイドを使用し、炎症を悪化させないことが大切です。かつては、乳児湿疹は放っておいてもよいと指導されましたが、現在はしっかりケアすることが大切です。(2018.12)


浅間南麓こもろ医療センター 小児科 小林 真二先生